「ホワイトニング歯磨き粉を選ぶなら、ハイドロキシアパタイト配合が良い」
ホワイトニング歯磨き粉を探していると、こういった説明を見る機会ってよくありますよね。では実際何が良いのかはご存知ですか?
そもそも「ハイドロキシアパタイト」とは、歯や骨の主成分となる一種です。
わたしたちの歯は、歯の表面のエナメル質の97%、その下の象牙質の70%がハイドロキシアパタイトから出来ています。
歯とほぼ同じ成分を歯磨き粉に入れることで、
・歯と硬さが似ているので傷付けにくい
・たんぱく質(汚れ)を吸着しながら取り除く
・歯の表面(エナメル質)についた細かい傷を修復
・初期むし歯(むし歯になる一歩手前)の再石灰化を促進
という作用を期待することができます。
ですが、歯磨き粉に含まれるハイドロキシアパタイトには種類があることを知っていますか?
ここではそれぞれの違いや効果などを紹介します。
目次
大きな違いは「薬用」が付いているか、付いていないか
市販や通販で販売されている歯磨き粉には、下記の名前でハイドロキシアパタイトが配合されています。
1:薬用ハイドロキシアパタイト(薬用成分)
2:ハイドロキシアパタイト(基剤、清掃剤、研磨剤)
さらに、
3:ヒドロキシアパタイト(基剤、清掃剤、研磨剤)
というものもあります。
なぜ呼び方が違うのでしょうか?
まず、
1:の「薬用ハイドロキシアパタイト」と
2:の「ハイドロキシアパタイト」(薬用が付かない)成分では効果効能が変わります。
また、
2:の「ハイドロキシアパタイト」と
3:の「ヒドロキシアパタイト」は読み方が違うだけで基本的に同じ作用のものになります。
多くのサイトでは、どれもごっちゃに話していたり全て同じ成分のように記載している所もありとても分かりにくくなっています。
また、商品サイトでも「…で、結局何なの?」と疑問の残る説明のものもあり配合理由がイマイチよくわからないことも。
では何が違うのでしょうか?それぞれ見ていきたと思います。
薬用ハイドロキシアパタイトとは?
こちらは「芸能人は歯が命」のCMで有名になった「アパガード」の株式会社サンギが研究開発した独自の成分です。
正式名称は、ナノ粒⼦薬⽤ハイドロキシアパタイト(<mHAP>)となり一般のハイドロキシアパタイトとは違い粒子もナノレベルと小さく、歯とほぼ同じ成分でできています。
一般のハイドロキシアパタイトとの大きな違いは、
・むし歯予防成分として認可を受けている「薬用」成分
・ナノ粒子と非常に細かい粒子で出来ているので、より歯に浸透&吸着力がある
・3つの作用があり、歯の黄ばみ・着色を予防し、白く健康な歯を手に入れられる
となり、簡単に言えば通常のハイドロキシアパタイトの商品より優れていると実証されているということです。
薬用ハイドロキシアパタイトでホワイトニングができる理由は?
こちらは、3つの作用の働きによって美白が可能になります。
1)歯垢の吸着除去
歯の表面の歯垢や口内細菌を吸着、除去することができます。
このことにより歯のエナメル質の表面をきれいにします。
また、サンギ独自の合成法により菌に対する吸着力が高く、さらに細かいナノ粒子がむし歯の原因菌(ミュータンス菌)に対し優れた吸着力を発揮します。
このことにより、むし歯関連菌を除去し口内環境を整えることが出来ます。
2)歯面のミクロの傷を充填
毎日の食事や歯磨きで健康な歯の人でも出来てしまう、歯の表面のミクロの傷。
この傷が深い人ほど、着色汚れが付きやすく黄ばみの原因となります。
薬用ハイドロキシアパタイトのナノ粒子ならこのミクロの傷まで浸透し生めて修復することが出来ます。
このことで、歯のエナメル質表面を滑らかにし、歯垢や着色汚れの再付着をしにくくなり歯の黄ばみの予防が可能です。
また、磨いた後に舌で歯の表面を撫でるとつるつる感を感じることができます。
3)表層下脱灰部の再石灰化
人の歯は、「脱灰」と「再石灰化」を常に繰り返しています。
脱灰とは、食事や間食などで付く歯垢内の細菌がつくる「酸」や食べ物の「酸」によってエナメル質の表層化からミネラルが溶け出すことをいいます。
この脱灰することを「初期むし歯」と言い、むし歯の一歩手前の状況になります。
ですが、人の唾液に含まれる成分によって酸が中和され溶け出したミネラルが再び歯の表面に沈着し修復されます。これが「再石灰化」です。
ちなみに溶け出したミネラルの全てが戻るわけではありません。
唾液のおかげで通常1日3回の食事では急にむし歯になることはありませんが、間食などで常に口内が酸性に傾いていると歯の修復は追いつきません。
このことにより初期むし歯が進行し「むし歯」となってしまうのです。
この再石灰化を直接してくれるのが「薬用ハイドロキシアパタイト」です。
ちなみに、再石灰化を「促進」するので有名な成分が「フッ素」です。
薬用が付いていない、一般のハイドロキシアパタイトでも再石灰化の促進効果の期待できる商品はありますが粒子の大きさなどにより効果は異なります。
一般のハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)とは?
こちらは「薬用」が付かないハイドロキシアパタイトです。
hydroxyapatiteと書くためヒドロキシアパタイトと読まれることもあります。
正式名は、ハイドロキシアパタイト(HAp)となります。
また、歯磨き粉の成分表記の際に「基剤」「清掃剤」といった表記がされます。
実はこの「基剤」「清掃剤」とは「研磨剤」のことで、一般のハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)は研磨剤目的で配合されています。
研磨剤と言っても、ステインに含まれるたんぱく質や糖を吸着しながらきれいにするので削って落とすものではありません。
ちなみに、薬用ハイドロキシアパタイトは研磨剤目的での配合ではなく粒子もナノレベルのため歯の表面を傷つける心配はありません。
一般のハイドロキシアパタイトの作用とは?
ハイドロキシアパタイトには「たんぱく質を吸着する」能力があります。
口内の汚れは、このたんぱく質が原因でステイン(着色汚れ)やヤニといった黄ばみの原因となります。
その為、ハイドロキシアパタイトが配合された歯磨き粉であれば、歯の表面に付着した着色汚れを剥がして落とすことができます。
これによりホワイトニング効果を期待できます。
ですが商品によって、
・配合量
・粒子の大きさ
・配合されている意味
などが変わり、その効果は商品によって様々となります。
書いてある説明もしっかり書いてある商品、良く分からない商品と別れます。
「ハイドロキシアパタイトが入ってる!」
と安易に買うのではなく、「薬用なのか?」「どういった作用のために配合しているのか?」といったチェックをしてから購入するのが安心です。
薬用ハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉とは?
アパガードシリーズを初めとした、OEMを含め約30の商品に配合されています。
例えば下記の商品となります。
・アパデント
・アパガードMプラス
・アパガードスモーキン
・アパガードプレミオ
・アパガードリエナメル
・アパガードロイヤル
・ラテール 薬用ハイドロキシアパタイト
・ヤクルト 薬用アパコート S.E.<ナノテクノロジー>
・オーラパール
など。
ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)配合の歯磨き粉は?
こちらは市販よりも通販で購入する商品がほとんどです。
・美歯口 30DAYS WHITENING KIT
・ZEROクリスタル
・DRタンズサンシャイン
・Dr.オーラル ホワイトニングパウダー
・Dr.オーラル ホワイトニングペースト
・シェルピカ
・ホコロ(Hokoro)
・ASPLUSH(アスプラッシュ)
など。
ちなみに、成分表の見方として「1番最初に書いてある成分が1番多い」と言う風に成分量の多い順番で記載されています。
「この歯磨き粉は何が一番多く配合されているのか?」を確認したい場合は参考にしてみてください。
まとめ
ホワイトニング歯磨き粉に配合されているハイドロキシアパタイトには、
1:薬用ハイドロキシアパタイト
2:ハイドロキシアパタイト
3:ヒドロキシアパタイト
の3種類があります。
1は別物(認可された薬用成分)で2と3は同じ作用のものになります。
それぞれ、配合されたハイドロキシアパタイトの質が違い、むし歯予防もできるのが「薬用ハイドロキシアパタイト」のみとなります。
また、商品によっては説明書きがまちまち。
「何のために配合されているのか?」が分からないものや「薬用とごっちゃになっている!」という商品も存在します。
ハイドロキシアパタイト配合の商品を選ぶ際は、商品の説明書きや配合量などもしっかりチェックして購入を決めると安心です。