「歯周病になると歯が抜け落ちる!」
「歯周病になると口臭もくさくなる!」
「自分が歯周病なのかどうか良くわからない!」
歯ブラシや歯磨き粉などのテレビCMで歯周病の名前はよく聞く機会がありますが、実際に何が原因でどんな病気なのか説明できる人は少ないのではないでしょうか?
歯周病とは、
・歯垢(プラーク)の中にいる細菌が
・歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に潜み
・この細菌の出す毒素が歯ぐきの炎症を引き起こし
・歯肉炎(軽度)⇒歯周炎(中度)⇒歯槽膿漏(重度)と悪化して行き
・歯を支える土台の骨が溶けてぐらぐらになり、最終的に歯が抜け落ちる
と、気付かないうちに徐々に進行していく病気になります。
歯が抜け落ちてしまうと、2度と生えてくることは無くなり噛む力も弱くなるため食べれる物にも制限が出てきます。
歯周病が悪化していかないためにも、マウスウォッシュを使ったプラスαのケアでしっかり予防をしましょう!
目次
こんなあなたは要注意!歯周病セルフチェック
最近、歯医者さんへ行ったのはいつですか?
・1年以上前
・子どもの頃から行ってない
・むし歯の治療で行ったっきり
もし上記に当てはまる場合は、知らないうちに歯周病になっている可能性があります。。
早速、手鏡を持つまたは、鏡の前に立ち自分の歯の状態をチェックしてみてください。
あなたは既に歯周病かも?9つのチェック項目
- 歯ぐきに赤く腫れた部分がある
- 歯と歯の間の歯ぐきがうっ血していてブヨブヨしている
- 歯を磨くと、歯ブラシに血が付いたりすすいだ水に血が混じることがある
- 歯ぐきから膿が出たことがある
- 歯と歯の間にものがつまりやすい
- 歯ぐきが痩せて歯の長さが長くなったように感じる
- ときどき歯が浮いたような感じがする
- 指で歯を触ると、少しぐらつくような歯がある
- 何となく口臭が気になる
1~2個チェックがある場合
歯周病の可能性があります。
歯磨きの仕方の見直しが必要です。「正しい歯の磨き方」を参考にしてください。
正しく磨いてホワイトニング!正しい歯の磨き方とは?
また、歯科医院で自分は歯周病なのか?を確認してもらうことで早期発見・早期治療ができます。歯の磨き方も教えてもらえるので一度来院をしましょう。
3~5個以上チェックがある場合
「初期の歯周炎」または「中度歯周炎」に歯周病が進行している可能性があります。
このまま放置しておくとひどい場合、歯が抜け落ちてしまう結果になってしまいます。直ぐにでも歯科医院へ行って医師に相談が必要です。
歯周病が気になったら、まず歯科医に相談を!
私は現在30代ですが、「ホワイトニングがしたい!」と思い歯科医院へ行った所レントゲン等を撮影し検査の結果「軽度の歯周病」と判断されました。
それまでは、おかげさまで中学生頃から虫歯など無く歯科医へ行く機会もあまりなかったため軽くショックを受けました。
ホワイトニング(オフィスホワイトニング)を行う前に、歯周病の治療をまず行ったほうが良いということで3~4回ほど通った後にホワイトニングをスタートしました。
今では定期的にクリーニングを行っており他の歯医者さんへ行っても「問題の無いきれいな歯」と先生に褒められます。
マウスウォッシュでのケアはあくまで「予防」です。
マウスウォッシュでケアをする前に、まず一度歯医者さんで歯科健診を受けて自分の歯の状態を確認することが重要です。
歯周病予防に効く!マウスウォッシュの選び方
とはいえ、歯医者さんへ行っている時間が無い場合や直ぐに歯科医院に駆け込むことができない場合もありますよね。
そんな時は自宅でできる歯周病対策をしておきたい。
そこで、歯周病予防のできるマウスウォッシュの登場となりますが実は、使い方と選び方によって効果の出る・出ないが分かれます。
あなたはマウスウォッシュの使い方を間違えていませんか?
早速チェックしてみましょう!
その洗口液、歯磨き前に使っていませんか?
歯周病菌などの細菌は集合体となり「バイオフィルム」というヌルヌルした膜に覆われて歯の表面や歯周ポケットに付着しています。
このバイオフィルムは、歯磨き時のブラッシングである程度は取り除くことが出来ますが全てを100%きれいに除くことはできません。
朝晩歯磨きをしていても約4割のバイオフィルムが口腔内に残ります。
また、バイオフィルムは殺菌剤や抗生剤などを跳ね返すいわばバリアのようなもので多くのマウスウォッシュに含まれる殺菌剤で除菌することができません。
歯周病や虫歯は、この残ったバイオフィルムが原因で悪化していきます。
ではどうすればいいのでしょうか?
歯磨き前に使うなら「浸透タイプ」のマウスウォッシュ!
下記の成分の入ったマウスウォッシュであれば、バイオフィルムの内部に入り込んで細菌を攻撃することが出来ます。
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
・エッセンシャルオイル(EO)
・ポビドンヨード(PI)
ですが、時間の経ったバイオフィルムは膜が厚くなるため浸透する効果が弱くなります。
できれば、前回歯磨きをした5時間以内に使うのが効果的です。
浸透タイプのマウスウォッシュ(洗口液)とは?
市販(ドラッグストアやコンビニ等)のマウスウォッシュで購入できる浸透タイプの殺菌剤が配合された商品は下記の通りです。
エッセンシャルオイル(EO)配合
・薬用リステリン(フレッシュミント)
・薬用リステリン(クールミント)
・薬用リステリン(タータコントロール)
・薬用リステリン(クールミントゼロ)
・薬用リステリン(オリジナル)
ポビドンヨード(PI)配合
こちらはマウスウォッシュではありませんが、下記商品に配合されています。
・イソジンうがい薬
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)配合
こちらは、洗口液ではなく多くの商品が「液体ハミガキ」に配合している成分です。
液体歯磨きは、歯磨き粉の液体バージョンなので必ずすすいだ後にブラッシングが必要となる商品です。洗口液ではないので注意が必要です。
・薬用リステリン(ムシバケア)
・リステリントータルケアプラス(通称:紫のリステリン)
・リステリントータルケアゼロプラス(ノンアルコールタイプ)
・システマEXデンタルリンス
・システマハグキプラス
・システマ 薬用デンタルリンス(歯科医院専売品)
浸透タイプの成分に関しては、殺菌の持続効果が短いためあくまで一時的な予防として利用し毎日のブラッシングは必須になります。
歯磨き後「すぐ」使うなら!付着タイプのマウスウォッシュ!
バイオフィルム内に浸透する力はありませんが、バイオフィルムや歯の表面に付着し長時間殺菌効果を発揮してくれるタイプです。
また、歯面に吸着するので歯垢(プラーク)の再付着を抑制する効果もあります。
下記の成分の入った洗口液なら高い殺菌効果を期待できます。
・グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)
・セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)
・ベンゼトニウム塩化物(BTC)
付着タイプの洗口液とは?
こちらのマウスウォッシュは、歯科医院や通販で購入できます。
グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)配合
・コンクールF
・オーラクールCHX
・バトラーCHX洗口液
コンクールFと言えば、多くの歯科医院が推奨・販売している洗口液です。
その理由が、CHGの特徴として高い殺菌効果と最大約12時間歯や粘膜に吸収して持続する効果があるためです。
そのため、
「どの洗口液でもダメだったがこれが一番良かった!」
「お父さんの臭かった口の臭いが消えた!」
「寝起きの口臭がなくなった!」
等、口臭に関する悩み解決にも評価の高い洗口液となります。
使い方は、いつものブラッシング後に約25~50mlの水にコンクールFを5~10滴垂らしてよくかき混ぜ数回歯の隅々に行き渡るように口をすすぎます。
すすいだ後はそのまま終了。水ですすぐ必要はありません。(むしろすすぐのはNG)
また、ブラッシング時に2~3滴垂らして直接歯を磨き、その後コンクールFですすぐ。といった使い方も効果的です。
グルコン酸クロルヘキシジン配合のデメリット
唯一デメリットがあります。
それは使い続けることにより、歯の着色(茶ばみ)がすすむことです。
タバコによるヤニ、コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、ソース、ケチャップなど歯の着色汚れの原因になるものは日常で多くあります。
CHGが配合された商品は、この着色がしやすくなると報告されているため別で着色汚れのケアが必要になります。
解決策としては、同じコンクールから発売されている「クリーニングジェル<ソフト>」(研磨剤入りの歯磨き粉)を週1~2使うという方法が推奨されています。
もちろん、研磨剤の入った歯磨き粉であれば別の商品でも構いません。
着色汚れを落とすには、やはり研磨剤入りが効果的です。
研磨剤が嫌な人は、歯磨き粉ではなく定期的に歯医者さんへ行きクリーニングで着色汚れを落としてもらうというのが一番理想的になります。
セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)配合
コンクールFなどのCHGが配合された洗口液より、持続性は落ちますが歯面に吸着してプラークの再形成を抑制するタイプの洗口液になります。
こちらは市販(ドラッグストアやコンビニ等)でも気軽に購入できます。
・薬用ピュオーラ 洗口液
・ブレスラボ マウスウォッシュ
・クリアクリーンデンタルリンス
・クリアクリーンフルージュマウスウォッシュ
・モンダミンプレミアム
・モンダミンナイトクリア
・GUM(ガム)デンタルリンスナイトケア
お休み前のケアとして使うタイプも出ていて、殺菌成分のCPCが効果的に口の中にとどまり原因菌を殺菌・繁殖を抑えることが出来ます。
特に、翌朝の口臭やねばつきが気になる人はナイトケアが効果的です。
なお、アルコールタイプ・ノンアルコールタイプを選ぶことが出来ます。
ベンゼトニウム塩化物(BTC)配合
以前は、クリアクリーンデンタルリンスに配合されていましたが現在はCPCに変更されているためBTC配合の洗口液は販売されていません。
医師による処方があれば、
・ベンゼトニウム塩化物うがい液0.2%
を購入することができます。
頑固なバイオフィルムを除去するなら「PMTC」
マウスウォッシュの選び方とその商品をご紹介しましたが、ブラッシングやマウスウォッシュでバイオフィルムを全て取り去ることはできません。
バイオフィルムは元々プラーク(歯垢)で、歯垢は下記の過程で生成されます。
1:食べ物のカスや唾液などにより細菌が繁殖
2:食後8時間程度で白くねばねばしたプラークになる
3:プラークが固まりバイオフィルムの膜をつくる(~48時間)
4:その後、歯石になる(歯垢が付いてから2~3日)
プラークが生成された状態で放置すると、歯周病が進行していきます。
1:たまったプラーク放置すると歯ぐきが炎症(歯肉炎)口臭も出始める
2:歯ぐきの炎症がひどくなると歯ぐきがブヨブヨになる(初期歯周炎)
3:歯肉が赤く腫れあがり、口臭がひどく出血。骨が溶け、歯が動き始める(中等度歯周炎)
4:歯が支えられないほどグラグラに。歯肉は化膿し真っ赤。歯根は真っ黒(歯槽膿漏)
放っておくと歯が抜け落ちます。
歯の見えている部分はバイオフィルムになる前にブラッシングできれいにすることができますが、見えない隙間(歯周ポケット内)には磨き残しとして蓄積されていきます。
時間の経過したバイオフィルムは頑固なのでブラッシングで落とすことはできません。
もちろん、歯石になってしまった場合もブラッシングで落とすことは不可能です。
そこで、歯科医師による機械を使ったクリーニング(PMTC)で効果的に落とすことが可能です。
PMTCの費用と行く頻度は?
PMTC(クリーニング)は、
・歯周病治療が必要な場合:初回3000円程度(保険適用)
・歯周病治療が不要な場合:1回5000円~20000円程度(自由診療)
となり、あなたの歯の状態により治療方針が変わります。
また、歯科医院によってPMTCを行っているところ・いない所、治療の一環として行うところ・自由診療となる所とさまざまです。
どちらにせよ、生成過程を見る通り「1度除去すれば終わり」というものではなく、毎日の生活の中で放っておくとプラーク(バイオフィルム)は歯石へと成長をしていきます。
これは私たちが生きている限り変わることはありません。
そのため、3ヵ月~6ヵ月に1回は歯医者さんでクリーニングをしてもらうことが理想とされています。
この通う期間を延ばしたり、より効果的に歯周病の予防をするために「マウスウォッシュ」がプラスαのケアとして役に立ちます。
マウスウォッシュで歯周病ケアを考えているなら、まずは歯医者さんへ行くことが先決となります。
まとめ
歯周病に効果的なマウスウォッシュは、「歯を磨く前」と「歯を磨いた後」では使うものが違います。
これは、歯垢(プラーク)がバイオフィルムという膜に覆われていて、殺菌効果や抗菌効果をバリアのように跳ね返してしまうからです。
そこで、
・歯を磨く前に使うなら「浸透」するタイプ
・歯を磨いた後すぐ使うなら「付着」タイプ
と使い分ける必要があります。
また、バイオフィルムはブラッシングでは落としきることができません。
マウスウォッシュもあくまでも歯周病「予防」なので、「歯周病かもしれない…」と思ったら1度歯科医院に行き自分の歯の状態を見てもらうのが最善の方法です。
ちなみに歯周病予防として、一番選ばれているマウスウォッシュは「コンクールF」です。
配合されたグルコン酸クロルヘキシジン(CHG)が口腔内にとどまり長時間殺菌(最大12時間)するため、口臭への効果も期待ができます。
「家族内で口臭が気になる人が居る・・・」
「でも歯医者さんへ行ってくれない・・・」
といった場合にも、洗面所へ置いて一緒に使う(使ってもらう)ことで解決したという口コミもあります。
迷った時は「コンクールF」。ブラッシング後に使ってみてください。