「歯のクリーニングって何するの?」
「ホワイトニングとクリーニングの違いって何?」
「歯のクリーニングは歯医者さんに通わないといけないの?」
歯を白くしたい!と思った時に、歯のクリーニングはセットのように付いてきます。
これは、「毎日のブラッシングだけでは取れない歯石」「自分では中々落とせない茶渋やヤニ、着色汚れ」といった「歯の表面の汚れ」を落とすために必要なものだからです。
こういった蓄積した汚れは自力で落とすことは出来ないため、落としたい場合は歯科医で専用の器具を使いキレイにしてもらう必要があります。
ですが、「クリーニング」にも種類があります。
歯医者さんへ行く前に「クリーニングの種類」や「クリーニングの内容」を知っておくと、自分の歯をどうして欲しいのか明確にしておくことができます。
目次
【まず】クリーニングには「保険適用」と「自由診療」の2種類あり!
歯科医院で、虫歯治療や、親知らずの抜歯をしたことがある人はご存知の通り社会保険や健康保険に加入している人であれば「3割負担」で治療してもらうことができます。
これは保険が適用される治療だからです。
歯医者さんでのクリーニングには医療費が3割負担で出来る「保険適用」と全て患者さんがお金を負担する「自由診療(自費診療)」の2つがあります。
それぞれにメリットやデメリットがあるので注意が必要です。
保険適用のクリーニングとは?
「クリーニング」は基本的に下記の場合に保険の適用がされます。
・歯周病や虫歯治療のための歯石除去(クリーニング)
「治療」を目的としたクリーニングであれば保険が適用されますよ。ということになります。
この場合の費用は歯医者さんにより異なりますが大体「3000円」前後となります。
これは初回の料金で、クリーニング(歯石除去)にプラスして初診料やレントゲンの費用が含まれた合計金額となっています。
また、一般的にスケーリングによる歯石除去となり歯面に沈着したプラーク(歯垢)や歯石をスケーラーという専用の器具で除去します。
保険適用のクリーニングの流れとは?
保険適用の場合、歯周病や虫歯治療の一環としてのクリーニング(歯石除去)となるため基本的な流れは下記の通りになります。
1:歯や歯肉に検査をする(歯周病やむし歯のチェック、レントゲンを撮る)
2:歯と歯茎の境目より上の部分の歯石除去をする(1回目)
3:数週間後に再度歯医者さんへ行く
4:治療後の状態をチェックし、必要であれば歯周ポケット内の歯石を取る(2回目)
歯医者さんにより異なりますがこのように、段階的に歯石を取り除いていくため1回だけで治療を終えることができずに数回通うことになります。
平均的には4回と言われていますが、歯石が多い等あなたの歯の状態によって通う回数は異なります。
何度も通うのは保険が適用されるためのルールにのっとっているためです。
「あの歯医者は何度も通わせる!(涙)」という経験をしたことがある人もいると思いますが、保険適用のためのルールなので仕方が無い…ということになります。
保険適用のクリーニングのメリットとは?
・気付いていなかった、歯周病やむし歯のチェックができる
・費用が3割負担で出来る(初回3000円前後)
・歯石を取ることで口臭改善にもなる
・歯周病やむし歯の予防ができる
・歯石除去のついでに着色汚れ(ステイン)も取れる
保険適用のクリーニングのデメリットとは?
・着色汚れを落とすことが目的ではなく、歯石取りがメイン
※歯石を取る際に着色汚れもある程度は取れる
・歯の状態によっては何度か通うことがある(2回目以降2000円前後)
歯科医によって様々!保険適用のクリーニング
上記では何度も通うというお話をしましたが、なるべく1回で終るようにしてくれる歯医者さんも居ます。
また、歯の状態によってはレントゲンは撮らずにクリーニングだけでOKの場合や歯の定期健診の際にクリーニングをしてくれる歯医者さんも。
クリーニングは、普段の磨き残しによる歯垢(プラーク)や歯石を除去してくれるものになります。
歯石になってしまうと歯磨きで落とすことは難しくなりますが、プラークが歯石になるまでの日数は「たった2日」です。
いくらきれいに磨いているつもりでも、磨き残し等により少しずつ汚れは沈着していきます。
3ヵ月に1回。または半年に1回。といったように歯周病やむし歯予防のためにも定期的に通って除去してもらうことが理想的です。
歯科医院によって、クリーニングの内容や考え方も様々。
まずは「この歯医者さんではどんなクリーニングを行っているのか?」をしっかりホームページ等で確認し「通える距離にあるのか?」等も考慮する必要があります。
ホームページだけでは良くわからない場合は「クリーニングをしたいのですが」と電話をしてみてその対応で行く行かないを決めるのも良いかと思います。
自由診療(自費診療)のクリーニングとは?
「予防」や「歯をきれいに保ちたい(審美)」を目的としたクリーニングは保険が適用されません。
・PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
・エアフロー(ジェットクリーニング)
こちらは予防歯科となり基本的に自費診療となるため「5000円~20000円」と費用はクリニックによってさまざまとなります。
※自由診療の場合は、価格をクリニックが好きに設定できる。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)とは?
「専門家による機械を使った歯の清掃」の略で、歯科医師や歯科衛生士の資格を持った人が専門の機械を使って歯の清掃を行うクリーニングです。
・むし歯や歯周病の原因となるバイオフィルム(細菌)の除去
・茶渋やタバコのヤニの除去
・ステイン(着色汚れ)の除去
・たまった歯垢の除去(歯周病やむし歯予防)
・歯の表面を磨きツルツツの歯に
・汚れ自体が付きにくくなる
といった効果を得ることができます。
PMTC(クリーニング)の流れとは?
「どこまでが含まれるか?」は歯科医院やクリニックによって様々となりますが基本的な流れは下記の通りです。
1:歯の状態のチェック、プラークの染め出し
2:歯石がある場合は、歯石の除去
3:エアーフロー(ジェットクリーニング)で着色落とし
4:専門の機械(PMTC)で研磨・歯の清掃
5:トリートメント、フッ素塗布
施術時間は30分~1時間程度で、1回で完了します。
これにより、自分では磨ききれない歯の隙間や着色汚れなどをきれいにでき本来の白い歯を取り戻すことが出来ます。
「ホワイトニングをしたい!」と思っていた人もクリーニング(PMTC)で満足することがあるので一度試してみることをおすすめします。
エアフロー(ジェットクリーニング)とは?
基本的にエアフロー(エアーフロー)とジェットクリーニングは、使っている機械(メーカー)が違うだけで同じ施術のことを言います。
内容は目の細かいパウダー状の粒子を空気と水で歯に吹き付け、PMTCでは落としきれないステイン(着色汚れ)を落とす方法です。
クリニックによって、PMTCの中にエアーフローも込みと考える場合とPMTCとエアーフローは別!と考える所がありますので詳しくはホームページの確認が必要です。
別料金で考えている場合は3000円~6000円が相場となります。
また、PMTC(クリーニング)の料金を記載していない歯科医院も多いので不安な場合は電話で問合せが必要になります。
自由診療(自費診療)のクリーニングのメリット
・自分では磨ききれない歯の隅々までをきれいに出来る
・痛みはなくリラックスしながら施術を受けられる
・仕上がりはツルツルで舌で触ると気持ちがいい
・歯の表面に汚れが付きにくくなる
・むし歯や歯周病の予防になる
・着色汚れ等が落ちるので本来の白さを実感できる
・通わず1回で済む
自由診療(自費診療)のクリーニングのデメリット
・歯医者さんやクリニックによって値段がさまざま
・歯医者さんやクリニックによって施術内容がさまざま(オプション等)
また、PMTC(機械的歯面清掃)を治療の一環として行ってくれる歯科医院もありその場合は保険診療となるので3割負担で出来る場合があります。
これは診療方針や歯科医さんの考え方によって変わってくるのでホームページ等でのチェックが必要です。
検索の際は「PMTC 保険適用 地域名」といった感じで検索すると見つけやすくなります。
【次に】クリーニングとホワイトニングの違い
クリーニングは、歯の表面の汚れ(歯垢、プラーク、歯石、着色汚れ、ステイン)などを落とし、汚れをつきにくくします。
本来の自分の歯の色より白くすることはできません。
ですが、長年沈着したタバコのヤニや茶渋、着色汚れを落とすことが出来るので「歯が白くなった!」という実感ができます。
ホワイトニングは、薬剤を使って歯そのものを白く漂白する方法です。
・歯の黄ばみが気になる人
・歯の奥まで汚れが染み込んでいる人
など、本来の歯より白くしたい人に最適なのが「ホワイトニング」になります。
ちなみに、歯科医院でホワイトニングする際に歯の着色汚れがあってはホワイトニング効果が薄まってしまうためホワイトニング前にクリーニングを行うのが一般的です。
どちらにせよ、歯を白くしたいのならば歯のクリーニングは必須になります。
歯科医院で行うホワイトニングは3種類
1:オフィスホワイトニング(歯に薬剤を塗り光を照射)
2:ホームホワイトニング(マウスピースを作り自宅で薬剤を付け装着)
3:デュアルホワイトニング(オフィスとホームの両方を行う)
それぞれの違いや合う人は下記の通りです。
オフィスホワイトニングとは?
「今すぐに歯を白くしたい!」
「1回で効果を実感したい!」
「イベントに間に合わせたい!」
と言った場合は、オフィスホワイトニングが効果的です。
1回で効果を実感でき、大体1時間程度で完了します。
短時間で白くすることができますがデメリットとしては、色戻りが早いので継続して行う必要があることです。
ホームホワイトニングとは?
「白さを長続きさせたい!」
「加齢による黄ばみをどうにかしたい!」
「時間がかかってもいいからとにかく白くしたい!」
といった人には、ホームホワイトニングが効果的です。
歯医者さんでマウスピースを作り、出来たら取りに行く…と最初は2回来院する必要がありますがジェル(薬剤)をもらい自宅でホワイトニングすることができます。
薬剤によって放置時間は変わりますが、1日2時間マウスピースをつけ大体1~2週間で白さを実感することが出来ます。
時間は掛かりますが、歯の内部(象牙質)を漂白できるので色戻りがしずらく自然な白さにすることができます。
デメリットとしては、薬剤が無くなったら歯医者さんで購入する必要があることです。
デュアルホワイトニングとは?
「短期間で歯を白くしたい!」
「白さの持続もさせたい!」
こんな人におすすめなのが、デュアルホワイトニングです。
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの両方をあなた専用のプログラムを組み行っていく方法です。
組み合わせて行うので、オフィスホワイトニングで白くした歯をホームホワイトニングでさらに内部から白くし、理想の白さに早く仕上げることができます。
【まだあります!】セルフホワイトニングとは?
歯医者さんで、歯科医師や歯科衛生士のみが行うことができる「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」。
この2つとは別に「セルフホワイトニング」というものがあります。
こちらは、
・あなた自身で
・歯にジェルを塗り
・光を照射して白くする
という、一見オフィスホワイトニングに似たホワイトニングとなります。
大きな違いは、
・歯を漂白する薬剤(過酸化水素、過酸化尿素)は使えない
・歯科医師や歯科衛生士は基本在籍していない
・全て自分で行う
というものになり、歯も漂白ではなく「歯の表面の汚れを落として本来の歯の白さへ戻す」という方法になります。
どちらかと言えばクリーニングや、歯磨き粉でのホワイトニングと同類になります。
【最後に】歯磨き粉のホワイトニングについて
歯磨き粉のホワイトニングには、歯を漂白する成分は含まれて居ません。
歯を漂白することのできる薬剤は「過酸化水素」や「過酸化尿素」と呼ばれるものでこの薬剤は歯科医師や歯科衛生士しか扱ってはいけない法律となっています。
そのため、
・研磨剤で着色汚れを削って落とす
・ポリリン酸などで着色汚れを浮かせて落とす
といった内容になっています。
いずれも歯の表面の汚れを落とす方法のため、ホワイトニング歯磨き粉では歯自体を白くすることはできません。
また、クリーニングや歯医者でのホワイトニングをしても毎日の食生活などや磨き残しなどで歯はどうしても汚れていってしまいます。
白さを保つためには歯のメンテナンスが必須です。
どちらかと言えば、ホワイトニングやクリーニングをした歯をきれいに保つために使うのがホワイトニング歯磨き粉といった認識でいると納得できるかと思います。
本当に歯を白くしたいのなら、まずはクリーニングをして、より真っ白にしたいのなら歯科医院でのホワイトニングがオススメな流れになります。
「ホワイトニング歯磨きで白くしたい!」という場合も、クリーニングは一度してもらうと汚れた歯からスタートするより白さを実感できます。
まとめ
歯のクリーニングには、
・保険診療(歯石除去)
・自由診療(PMTC)
の2種類があります。
保険診療の場合は、「治療」が前提となり初回は3000円前後で行うことができます。
自由診療の場合は、「予防歯科」「審美歯科」となりクリニックによって5000円~20000円と料金が異なります。
ですが、歯科医院によってはPMTCを治療と一緒に行い保険診療の価格でできる場合もあります。
こちらは歯科医院やクリニックによって違うためホームページ等で確認が必要になります。
また、歯のクリーニングとホワイトニングの違いは、
・歯の表面の汚れをきれいにし本来の歯の白さへ戻す(クリーニング)
・歯そのものを漂白し本来の歯より白くする(ホワイトニング)
といった違いがあります。
どちらにせよ「ホワイトニングしたい!」と思っている場合は、まずクリーニングをしてみてください。
クリーニングだけでも歯の白さを実感することが出来ます。
なお、クリーニング後も毎日の食生活などで歯の汚れは蓄積されていきます。
3ヵ月~6ヵ月に1回、定期的なクリーニングに通うことで白くきれいな歯を保つことが出来るので通える歯医者さんやクリニックを見つけると安心です。